記念艦「三笠」でモールス体験

先日開催された「記念艦三笠でモールス体験」というイベントを取材してきましたので、その様子を報告したいと思います。
取材してきたのは、2022年6月4日です。
会場は「記念艦三笠」と言うことで、無線家向けのイベントではなく、一般向けのイベントであることが非常に興味深いところです。
はたして、イベントは成功したのでしょうか・・・

戦艦三笠、と言ってもピンと来ない方もいらっしゃると思いますが、和文通話表で「み」という文字を表現するときに使用する「ミカサのミ」の、あのミカサです。
モールス体験会場の入り口には、三六式無線電信機のレプリカが展示されていました。
話を聞くと、運営スタッフの方の手作りと言うことです。


▲三六式無線電信機は電気通信大学のミュージアムに展示されているが、実はそれもレプリカ、三六式無線電信機の現存する個体はもうない。黒い筒状のものはインダクションコイルと呼ばれるパーツだ。インダクションコイルの国産化無くして三六式無線電信機を語ることは出来ないくらい重要なパーツだ。


▲イベント会場の入り口に三六式無線電信機のレプリカが展示してあり、来場者の多くの方が興味しんしん。


▲会場内には大砲が設置してあり、三笠が戦艦であることを意識するには十分な存在感を放っていた。副砲の15cm砲は全部で14門設置されている。


▲会場内には、アマチュア無線を啓蒙するパンフレットが置いてあり、自由に持ちかえることができた。存在感ある15cm砲が、アングルによっては映り込んでくる。


▲インターネットで使用されていたイベント告知のポスターが会場内に掲示されていた。

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加地通信機研究所のモールス印字器が大活躍!

今回のイベントでは、加地(かじ)通信機研究所のモールス印字器が大活躍です。
すでに製品は製造されていないので、壊さないように慎重に使用されていました。
また印字用の純正の紙テープの入手できないことから、市販の紙テープを流用、紙テープはセロハンテープの台にセットして使用しています。


▲ボールペン式のモールス印字器。以前はモールスの練習はもちろん、無線従事者の国家試験のモールス信号送信試験でも使用されていた。

会場内の雰囲気

基本的に、三笠は戦艦と言うことで部屋は狭い。
上記でも紹介したように、会場内には大きな15cmの副砲が設置されており、アングルによっては映り込んでしまう。
会場内の雰囲気を紹介しておきます。


▲無線家向けではないが、家族連れが多くモールス体験をしていった。


▲モールスに苦手意識がないせいか、家族連れや子供達にモールス体験は大人気だ。


▲会場内にはスタッフ手作りのパネルが掲示されていた。使用されているイラストも、もちろんスタッフの手によるものだ。

モールス体験男性編

モールス体験には男性も多く訪れていました。
アマチュア無線経験者や、大学生など、経歴は様々、打鍵はブランクのある方など、そのプロフィールも様々です。
モールスの指導をされている方は、第一級アマチュア無線技士(1アマ)はもちろんのこと、無線従事者資格の最高峰と言われる「第一級総合通信士」(1総通)も取得しており、通信士として業務の現場でも活躍されていたかたです。
1総通の資格は、現在では年間の受験者が20人ほどと言われており、最近では一総通の従事者の需要も少なくなっており、国家試験の試験官の人材不足などから、国家試験自体が実施されない地域もあるようです。
ちなみに、1総通の資格を取得することによって、アマチュア無線技士の資格がなくても、1アマ相当としてアマチュア無線局を開局することが出来ます。


▲打鍵の印字された紙テープを見ながら、指導されている方と反省会です。


▲以前はアマチュア無線でCW(モールス)を運用されていたようですが、現在は運用されていないようでブランクがあるといいながらも、なかなかの腕前のようだ。


▲かつては通信士を養成していた、国内でも有数の名門校に通っている大学生。初めてモールスを打鍵している。

モールス体験女性編

モールス体験は男性だけではなく、もちろん女性も多く参加していました。
どちらかというと、男性よりも積極的に女性は楽しんでいるように感じます。


▲女性の二人連れ。友人と二人でモールス体験を楽しんでいた。


▲ご夫婦でモールス体験会場を訪れたが、ご主人はモールス体験はせず、奥様が一人でモールス体験を楽しんでいた。

モールス体験キッズ編

今回のイベントは家族連れの方も多く参加されていました。
小学生や、小学生以下の子供達も多く参加しており、モールス信号の前に「日本語書けるのか?」と言った子供達も目を輝かせて電鍵を操作していました。


▲小さい子供であっても、凄い集中力で電鍵の持ち方を教えてもらっている。


▲生まれて初めて電鍵を操作するとは思えない良い姿勢。キッズといえども電鍵を打つ姿はベテランの風格すら感じ取れる。やはり指導者がいいと違うようだ。


▲真剣なまなざしで、自分の書いた電文を打鍵している。


▲自分の打ちたい電文を紙に書いて、一文字ずつモールスに変換した符号を書いていく小学生の仲良し兄弟。


▲仲良し兄妹の妹が打鍵中。真剣なまなざしだが楽しそうだ。


▲お兄ちゃん、長文に挑戦したようで、印字された紙テープが長くなっている。

最終的には、6月4日・5日の二日間で200名以上の方に、モールス体験をして頂いたとスタッフの方に後日お聞きしました。
無線家に向けてのイベントではありませんでしたが、一般向けのイベントとしては大盛況といっても過言ではないようです。

三六式無線電信機とは?

イベント会場の入り口にもレプリカが展示されていましたが、ここで「三六式無線電信機」に触れてみたいと思います。
三六式無線電信機は、戦艦三笠にも搭載されており、日露戦争時に送出された、あの有名な暗号電文が送信された無線電信機です。

<送信文(暗号文)>
アテヨイカヌ ミユトノケイホウニセッシ ノレツヲハイ ハタダチニ ヨシス コレヲ ワケフウメル セントス ホンジツテンキセイロウナレドモナミタカシ

暗号→意味
・アテヨイカヌ→敵艦隊
・ノイツヲハイ→聯合艦隊ハ
・ヨシス→出動
・ワケフウメル→撃沈滅

<解読文>
敵艦隊見ゆとの警報に接し、連合艦隊は直ちに出動、之を撃滅せんとす。本日天気晴朗なれども波高し。


▲戦艦三笠の無線電信室。この部屋から上記の暗号電文が送信された。通信室には三六式無線電信機と電鍵を叩いている通信士(通信兵)がたたずんで来場者を迎えてくれる。戦艦三笠のアンテナは現在でも生きているようで、過去に戦艦三笠のアンテナを使用したアマチュア無線の公開運用も行われたようだ。また戦艦三笠の無線電信室に展示されている三六式無線電信機は横須賀海軍工廠造兵部で木村駿吉から直接指導を受けた山田寿二氏が製作した由緒正しいレプリカだ。


▲戦艦三笠の「無線電信室」の入り口に掲げられていたプレート。


▲無線電信室への入室が出来ないが、室外から中を見ることが出来る。また入り口付近には電鍵も設置されており、モールス体験が出来るようになっていた。

三六式無線電信機が「重要科学技術史資料」として未来技術遺産に登録されました↓

三六式無線機


▲戦艦三笠の甲板には、15cm副砲が設置されているが、もちろん無効化されている。


▲甲板に設置してある15cm副砲のトリガー。


▲戦艦三笠の内部には「司令長官専用階段」が設置されていた。東郷平八郎が使用したのだろうか?

関連リンク
一般社団法人 電波教育協会
世界三大記念艦 三笠

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