パーソナルの不正プログラムとは


フォルクスワーゲン VWのディーゼルエンジンの不正プログラムが世界的な話題題になっていますが、無線の世界でも不正プログラムが問題になっていることをご存知でしょうか。

それはパーソナル無線機の不正プログラム、スペシャル機と呼ばれる違法改造されたパーソナル無線機の存在です。

テストモードがスペシャル期の原点だった

VWの不正プログラムはボッシュ社が開発したテスト用のプログラムを悪意を持って市販製品へ転用したものと報道されています。

パーソナル無線機においても、テスト用のプログラムが不正に起動され通常の運用時にも利用されていることが、今回のVWによる不正プログラム問題と似ています。

初期のパーソナル無線用テストモードは以下のような機能がありました。

1)ROMなし送信

2)群番号解読

3)チャンネル指定

4)割り込み送信

●ROMなし送信

通常、パーソナル無線は自局のIDなどが登録されたROMと呼ばれるパーツを無線機に挿入することで送信ができるようになっています。

正規に免許されたパーソナル無線局であれば、自局のID(コールサイン)がROMを無線機にセットしないと電波が発射されないようになっていますが、そのROMがなくても電波が発射できるようになる機能です。

●群番号解読

パーソナル無線特有の群番号を解読する機能です。

●チャンネル指定

そもそもパーソナル無線は、交信するためのチャンネルは無線機が自動的に選ぶようになっているMCA方式のため、任意にチャンネルを指定することはできませんが、意図的に任意の交信チャンネルを指定できる機能です。

●割り込み送信

通常パーソナル無線は、群番号が同じ相手としか交信できないような仕組みにおなっていますが、割り込み送信ができると、群番号が違う相手とも交信できるようになります。

スペシャルは3期に分類できる

スペシャル機の歴史は大きく分けると3つに分類できます。

●初期

初期はテストモードの不正起動時代から、ソケット式不正ROMの開発の時代です。

初期の頃は無線機内部にEEPROMが使用されており、ソケットが使用され取り付けられていました。

蓋さえ開けられてしまえば、誰でもROM交換が行えてしまえるわけです。

初期の無線機としては、パナソニックのPQ-10や信和のSC-905、NECのTR-5501、アイコムのGT-2など、ROM交換できるタイプの無線機のほとんどが改造の対象となっていました。

●中期

行政指導が入り、ソケット式だったROMが基板への直付けが必要となりました。

その後、直付けの上に、樹脂などでROMを隠すような仕様に変更されていきます。

このころから多チャンネル化が進み、240chといった無線機が登場し始めます。

パーソナル無線自体も80chから160chと増波された時代でもあります。

不正プログラム全盛の時代でありながら、異色のハード改造されたパーソナル機も存在していました。

日本マランツのGX-9100ですが、本来は80ch機なのですが、スイッチの操作により、全体的に12.5kHz上にバンド全体がずれる機能があって、160ch機と「周波数的」に互換となる改造が施されたものがありました。

●後期

EEPROMの使用が行政指導によって禁止されます。

メーカーはCPU内部にプログラムされたデバイスの使用を始めます。

これによって、素人がプログラムできる不正プログラムから、業者が組織的に関与しなければならない不正プログラムへとスペシャル機も変貌を遂げていきました。

改造できる機種も限られてきて、信和のSC-905G7やパナソニックのPQ-13が主流となっていきます。

スペシャル機の始まりは業務器メーカーだった!?

スペシャル機の初期は、東芝の9M51Aがスペシャル機の走りといわれています。

そのあとは、松下のPQ-10、少し遅れて信和のSC-905G、そしてNECのTR-5501、そのあとは改造できる無線機であれば何でもありということで、ケンウッドやクラリオン、アイコムやヤエス、スタンダード、日本無線など、実に多くの改造気が登場していますが、面白いことに改造機の初期段階では、業務機を扱っているメーカーからスペシャル機が登場しているということも興味深いこととなります。

パーソナル無線の独特のMCAシステムは、すでに業務無線の世界では使用されていたシステムなので、パーソナル無線に採用することは業務無線メーカーとしては比較的簡単だっと思われます。

しかし、一般の方に対して、自動で通話チャンネルが決まるMCAというシステムは、チャンネルを自分で選択することになれている方にとっては、大変分かり辛い通信システムでもありました。

わかりにくいパーソナル無線機の使い方を簡単にしたのもスペシャル機の特徴であり、スペシャルとい発想の始まりともいえます。

その結果、チャンネル固定によるクラブチャンネル化や、一部の反社会勢力によるクラブの設立によるチャンネル使用料の取り立てなどの問題にも発展しました。

違法CBと同じ構図が、パーソナル無線の世界にも拡大してしまったのです。

開発者はメーカー関係者か?

スペシャルの開発者ですが、初期段階ではテストモードが悪用されてしまった経緯があるためにメーカーの開発者の手によるものだということがわかります。

もちろん手さ宇都モードを起動するためなので、悪意があってプログラミングされているものではありませんが、中期から後期にかけては悪意あるプログラマーの手によって開発されていたのは間違いありません。

特に後期になると多チャンネル化が進み、1600chといったものまで出てきています。

もちろん普通の無線機では対応できないため、高周波部分の回路も改造して、ソフトとハード両方の改造がされているものまで登場しています。

当時取材した情報によると、特に信和通信機のSC-905GVやSC-905G7などの不正プログラムはは、元信和通信機の技術者が開発に携わっていたということが、不正CPUの卸元からの情報で明らかになっています。


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