パーソナルの3段ROMとは

パソコンソフトには不正使用されないようにコピーガードがかけられていることがあります。最近ではパスワードや、シリアル番号を入力して、インターネットのデータベースで認証を行ってインストールされたソフトを有効化する方法が多いようです。

パーソナル無線の世界でもスペシャル機と呼ばれる不法改造機が存在していますが、これらの無線機はプログラムで制御されているため、不正なソフトが搭載されています。

この、不正なソフトについても初期のROMを使ったタイプのものはコピーガードがかけられていたのでした。

スペシャル機のコピーガード

スペシャル機のプログラムはROMに記録されています。

スペシャルROMを製造する方法としては、不正プログラムが書かれたROMを無線機にセットすればいいわけです。

このROMは自分でプログラムするか、すでにプログラムが書かれたROMをコピーすればいいわけです。

クラブなどでは改造できる機種をメンバー全員で統一して選んでおいて、1台だけスペシャル機を購入して、不正プログラムが書かれたROMをコピーして、メンバー全員で使いまわしてたクラブもあるようです。

しかし、こんなことをされてはスペシャル機を製造する業者としては儲けがなくなってしまいます。

3段ROMとは?

そのスペシャルROMのコピー問題を解決した方法が、通称「3段ROM」と呼ばれたコピーガード方式です。

初期段階では「2段ROM」方式でしたが、最終的には進化して「3段ROM」形式に進化したようです。

3段ROMの仕組みはカンタンです。

プログラムされた3つのROMを用意します。

それぞれのROMにはスペシャル機能がプログラムされ3分割されています。

まず、ノーマルROMを抜いて無線機をリセット、ノーマルプログラムをメモリーから削除します。

そして、はじめの「1段目」のROMを装着して、無線機の電源をON。

1段目のROMに書き込まれたプログラムを無線機のメモリーにロードします。

同じように、2段目のROMのプログラムを無線機にロード。

最後に3段目のROMを装着してスペシャル機の出来上がりです。

1段目のROMと2段目のROMがない限り、3段目のROMだけをコピーしても起動しない仕組みです。

しかし、3段ROMの最大の欠点が、バックアップ用の電源がなくなってしまうとメモリー上のプログラムが消失してしまうため、ある程度の間隔で無線機の電源を入れる必要があるということです。

対象機種は松下だった

この3段ROMですが、盛んに使用されていたのがパナソニックのPQ-10シリーズでした。

PQ-10シリーズは販売会社の違いなどから、PQ-10のほかに、PQ-9、CR-PC10Dなど、同じ中身で型番が違ったり、筐体のデザインが違っているモデルが存在していました。

スペシャル機の出始めの頃は、新型の不正プログラムが出回ると、プログラムのコピーがすぐに出回ることに頭を悩ませていた改造業者が盛んに用いていましたが、やはりプログラムの消失問題がネックとなり、一過性のものとなり普及には至りませんでした。

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