先日のハムフェア2018ではAORブースにAR-DV10を持ち込んできたユーザーを対象にファームアップサービスが行われました。
そのファームアップの内容が判明しましたので報告させていただきます。
今回のファームアップは「1808D」のファームウェアについてのご案内です。
新機能は2つです
今回のファームアップで追加された機能は大きく分けると2種類です。
パソコンソフトとの連携強化と、温度変化に対する周波数の安定化対策です。
◆新機能1 SDR#互換のI/Qデータ記録が可能
パソコンソフトの「SDR#」用のデータをSDカードにデータを記録することによって、リアルタイムではない物の、間接的に信号の解析ができることを可能にしました。
操作方法
1. AR-DV10に付属のSDカードを本体に装着後AR-DV10の電源ON
2. MENU ⇒ CONF7 ⇒ SAVE TYPE ⇒ ENT
3. IQを選択 ⇒ ENT
4. 録音キー●を押して記録を開始
5. 録音キー●を押して記録を終了
6. 記録したSDカードをパソコンに挿入後ファイルをコピーしてSDR#で解析
IQファイルのフォーマット
●記録帯域30kHz(+/-15kHz)、38.4kS、16bit
●I/Qファイル記録フォーマット:q——-.wav
●長時間記録時には100MB毎にファイル分割(約10分間)
SDR#についてはネットからダウンロードが可能です。
https://airspy.com/download/
◆新機能2 周波数自動補正機能+マニュアル調整機能の追加
AR-DV10の内部温度の上昇に伴う周波数のズレをAR-DV10に内蔵されたCPUが温度を測定して自動で周波数を補正する機能が追加になっています。
操作方法
1. MENU ⇒ CONF7 ⇒ XTAL OFFSET ⇒ ENT
2. エンコーダーで値を調整(±9999まで)⇒ ENT
▲ハムフェア2018ではSDR#との連携を強調したディスプレイ方法を採用していました。
その他の機能
◆SDカード録音時に付随情報を記録できる機能を追加。(コンフィグメニュー LOG REC)
開始時刻や周波数、受信モードなどを記録。
ただし、表示用専用ソフトは開発中のため提供時期は未定。
◆音声録音以外の記録形式2種類を追加。(コンフィグメニュー SAVE TYPE)
AUDIO=音声録音/DISC.=ディスクリミネータ出力記録/IQ=IQデータ(SDR#対応)
◆音声反転や、トーンスケルチ、DCSなどの設定値をVFO上に表示するようにした。
◆SDカードの互換性を向上させ、録音時の処理を安定化させた。
◆プログラムを最適化することで、不要なエラーやハングアップを低減。
◆P25およびDMRのデコード率を改善
◆軽微な不具合の修正
ファームアップ時の注意点
ファームアップを行う場合は、メモリーデータなどを必ず事前にバックアップしておく必要があります。
ファームアップを行うことによって、AR-DV10は新しいファームウェアで、工場出荷時の状態になってしまいます。
後でメモリーを入力しなおすのは大変なことです。
必ずファームアップを行う場合は事前に、AR-DV10のメモリーデータなどのバックアップを行いましょう。
新しいファームウエアのwebでの公開時期などは、原稿執筆の時点ではメーカーからアナウンスされていません。
ハムフェア会場でファームアップサービスを受けられなかった方ユーザーの方は、改めてメーカーからのアナウンスを待ちましょう。