ベテランのアマチュア無線家であれば、アメリカの無線機メーカー「Collins(コリンズ)」の名前を聞いたことがあると思います。
今回はフリラとは関係ありませんが、コリンズのKWM-380のカタログを眺めていきたいと思います。
全部で6ページあります。
KWM-380は民生用の製品で、軍用(業務用)がHF-380となり、筐体部分は共通のようです。
コリンズ最後のアマチュア無線機となりました。
発売は1979年9月頃のようです。
表紙は謎のヒゲ氏のイラストからスタートです
表紙はKWM380の写真と地球儀っぽいイラスト、そして謎のヒゲ氏がオペレートしているようなイラストです。
▲無線機のロゴマークに注目。エンブレムに「Rockwell 」の名前が見てれます。
▲アマチュア無線機なのに「Pro-mark」という表記があるのはやはり業務機と筐体が共通だからでしょうか。
フロントパネルと内部ユニットの紹介です
2ページ目は写真を使って、フロントパネルと、内部ユニットの配置などが紹介されています。(背面パネルの説明もされています)
▲ヤエスのFT-101などでも影響を与えた伝統のプラグインユニット式の内部が機能美を感じさせてくれますね。
オプションも紹介されています
3ページ目はKWM-380のオプション紹介です。
ノイズブランカーユニットや、スピーチプロセッサーユニット等が紹介されています。
ラックマウントまでオプション設定されているのが、プロ用も同一筐体で設計された無線機ということを物語っているようです。
▲スタンドマイクやヘッドフォンも一緒にそろえるとカッコいいですね。
▲SSBを運用する場合はスピーチプロセッサーユニットは欲しくなりますね。
どれだけすごいかのアピールページです
4ページ目はブロックダイヤグラムと、色々なスペックが紹介されています。
面白いのが軍用機(業務用)のHF-380のことにも言及している部分があるということです。
もしかしたらKWM-380のカタログはHF-380のカタログも兼用だったのかもしれません。
▲HF-380は業務用ということで「ゼネカバ送信」に対応していたようです。
▲なぜか業務用のHF-380に言及している部分もあります。もしかしてHF-380のカタログはKWM-380のカタログと兼用だったのかもしれませんね。ってことはKWM-380はほぼ業務用無線機とおなじってことでしょうか。
推しポイントをさらに紹介
5ページ目は機能面での「推しポイント」をさらに詳しく解説しています。
コンピュータ基板やVFOのメモリー機能、パスバンドチューニングの特性等が写真と図を使って紹介されています。
▲KWM-380ではPTOではなく「VFO」という表現が用いられています。
▲制御基板の紹介です。今と比べると機能面では劣るものの、当時としては最先端の業務局での使用にも耐える技術が投入されていました。
▲2VFO搭載が自慢だったようですね。今ではフツーの機能ですが、当時としては「ドヤポイント」だったのでしょう。
▲パスバンドチューンの説明です。国内のメーカーも一部の無線機で採用していましたが、特許の関係で、パスバンドチューンが後期ロットで廃止され、データレベルの調整に置き換わったモデルもありました。
エンドロールのような最終ページ
映画のエンドロールのような、読み応え抜群の最終ページです。
色々と語ってくれてます。
ちょっとした読み物のようになっていますね。
▲社名が「Rockwell international」となっているのが時代を感じさせますね。
仕様とか
●サイズ
6 9/16インチ × 15 1/2 × 18
●重量
48ポンド
●受信範囲
1.6MHz-30.0MHz
●送信モード
SSB.CW
●送信バンド(KWM-380)
160m / 80m / 40m / 30m / 20m / 17m / 15m / 12m / 10m
●送信出力
100W
●価格
2995ドル
▲この方がコリンズ社を立ち上げた「Arthur A. Collins」氏です。
▲コリンズの社内ではKWM-2/Aの後継として「KWM-3」が開発されていたようですが、熟成を重ねてKWM-380(HF-380)として製品化させたようです。